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虎毛のトラの一生
2002年6月20日の早朝でした。
蒸し暑いため開けていた窓の外で猫の鳴き声がしました。その日、怒られたベベは外で一人で寝ていました。 てっきりベベの鳴き声だと思った飼い主が、ガラス戸越しに覗くと、ベベはベランダに座って、部屋の中を見ていました。午前3時半でした。




次の日、9時過ぎに散歩に出ようとすると、ベベはいつものコースで歩かず、いきなり隣の家の庭に走り込みました。
思わず引っ張られていくと、鼻でつついていた草むらからミャーという声が聞こえました。

まだへその緒がついた体長12センチほどの虎毛の子猫でした。
猫は病院でへその緒を切って貰い、そのまま、トラという名前でベベの養子となりました。



そして、驚いたのは3日目の土曜日。夕食時に家を空けて、ベベとトラは留守番でした。

少し心配でしたが、帰ってみると、居間に置いてあった箱の中にトラの姿が見えません。考えてみると、いつもは玄関ドアの向こうで必死に尻尾を振りながら迎えるベベが、この日は少し遅れて奥から走り出てきました。

廊下を走り、奥の寝室に行くと、トラがママのベッドの上で這っていました。べべがトラをくわえてベッドの上まで連れていき、なま暖かいシーツから判断すると、そこでトラを抱いていたとしか考えられません。

実際、次の日、ベベがトラの頭をかぽっとくわえてつり上げ、一旦取り落として、今度は胴をくわえて、自分の布団に持っていくところを目撃しました。


美味そうなやっちゃ。パクっと食べるのではなく、食いしん坊のべべが理性を発揮して、子猫の身体中をなめ回したのでした。 もっとも、一番熱心だったのは、トラがミルクを飲んでミルクまみれになった後ですが。


丁度1週間が経った26日の水曜日夜からトラは元気を無くし、次の日の昼前に、注射を3本打った甲斐もなく、ベベとママの目の前で逝ってしまいました。

最初から注意していた尿毒症でした。

ちびのトラは懸命に頑張り、愚かな人間たちと未熟な甲斐犬には少し大きすぎる課題でした。

トラは八ヶ岳某所で眠っています。



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